ヨルノテガムたちの絶望/ヨルノテガム
 





ヨルノテガムたちが寝静まった夜
ヨルノテガムたちの月は空を埋めつくした
明るいなぁ。そして、
苦しいなぁ。と彼らのひとりは洩らした
踊るヨルノテガムたちの首筋に風は舞い
踊っているのはワシたちの方なのだぜ
と風は調子づく
ヨルノテガムたちの夜が明ける、と言ったのは
右から三番目のヨルノテガムの口で
左から五番目も後ろから九番目も同時に口を開き
ヨルノテガムは本心を隠したがった
ヨルノテガムの涙はよだれだったし、
ヨルノテガムの遊びはヨルノごと首をすげ替え、
テガムごと胴体をくじ引きさせ
合体をはかるのであった
ヨルノテガムたちのお披露目挨拶が始まる
[次のページ]
戻る   Point(3)