降るコンクリ、夏の/滝沢勇一
き出せば楽になるのに
コーヒーカップに黒い液体、
悠然と飲み下して安息
昨夜零時のことだった。
早朝バイブレーター使わなかったお陰で
コールド・ジョイント
繋がらない不連続面、聞こえるお昼の読経
コンクリートばらばら打設ミス
「もうすぐ夏の町内祭りだから甘酒と団子の準備だね。」
袈裟掛け坊主、くすくす話す
疲れた俺はだから煙草に火を点けて、酸性雨にまみれる俺の練った不完全なコンクリート・べとんに浮き上がる骨材を見ていた。
がばあっと胸のあいた綿素材にっとの女が
おっぱい揺らしちらちら見える谷間、通過
今日は良いことがあるかもしれない。
今日は良いことがあるかもしれない。
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