愁思秋逢/唐草フウ
 
きのう、
おちばの海を
巨大な足でかいて
じゃさっ、じゃさっ
と、踏んだバス停まえ

みあげれば
あの葉も、あの木も
こがねいろ
あかねいろ


駅前のそら は
ももいろの画用紙に
帰ってゆく雲が
広がって観とれた

 あしもとからみみもとまで
 見つめられている人がいる
 そうして過ぎさる
 景色がすきだ
 

寒い風が向かっても
貸してくれる傘を
さし出す人が 
わたしを想っている



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