あをの過程さんの時間論−「存在の彼方へ」を読んでみる12/もぐもぐ
 
限しなくてはならないからである」「自我はこのように自己自身をある規定されたものとして定立することによって、現存在一般のなかへ踏み入る」(「ヘーゲル 法の哲学 I」中公クラシックス、、藤野渉他訳、2001年)としている。「特殊的なもの」とか、「現存在一般のなかへ踏み入る」という表現が分かり難いが、砕いて言ってしまえば、単に抽象的な観念のレベルを超えて、現実具体的に通用するもの(一人前)になるということである。

他の可能性を否定していくことによって、現実具体的に通用する何者かになる。ここにおいては、先の説とは違い、「思い出すべきもの」(目的)の内容は、誕生した時点では確定されていない。人生の旅を
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