光源トキノオ/
靜ト
がする
光走性にはどうやったって逆らえないのだ
ジジ ジ 落ちた
とたん
たまりかねた水滴が
冷えた首筋を舐め伝い
あたしはぞくりと思いついた
力尽きたシジミチョウの
両の羽を
そっとつまんで くっとひきぬく
そうだ
ハネなどついているから己に期待してしまうのだ
こんなものはすでに 無意味なのだ
「自由になりたがるのはもう、おやめ」
あたしは笑って 呟いた
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