玉子でピース/キリギリ
 

思いたい二人もろとも包んで確かに落ちていく。
オジービーフの大往生と同じくらいの確率で現れる僕たちの成功例を
糊にしてくっつける防寒具は露出狂の王さまを逆説的に肯定しながら
すきま風に剥げる。本当のことを本当のまま手渡しすることの出来ない
僕らの持っているバケツは奇形金属。冷えて固まって戻らないイメージと
些細な出来事で身勝手に増減を繰り返す数値。黄色い紙に黄緑で書かれた
文字が正しさを主張しても覚めない夢のような過ちが隔てている。
傷でも恥でも殺せない日常を未来に向かって滑り落ちていく。
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