物語詩「塔と鳥とクレヨン」-first wing-/青の詩人
ったが
肩の上は変わらず白を保っていた
息をすった
月は思っていたよりも近くて
思っていたよりも小さかった
息をはいた
そのとき
月も鳥もアモールに染まった
エアが耳に
クロノスが目に
メロディーが頬に
焼きついた
カラカ ラカラ
カラカ ラララ
目を閉じたら
目が開いていて
夢が終わっていた
朝が侵入していた
まだ塔の中だった
ピアノが残響していた
4、浮き足
染まったこころは
嬉しくも
寂しくもあり
とにかく空を得られたことで
浮き足立っているように思えた
嘴をぱくぱくさせ
羽をばたつかせ
飛びたい 飛びた
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)