過ちに会える街/セルフレーム
一番近くで、貴方を待っているからね―
過ちに会える街
【次は 終点 蝶過(チョウカ)】
聞いた事の無い駅名だった。
3年間、生真面目で優秀な社員を演じ続けた僕は、
11月、少し寒くなった都会の中で、
初めて現実逃避(ムダンケッキン)をした。
終点は蝶過。
初めて降りたホームの錆びた自販で、
暖かいコーヒーを買った。
100円が入らなくて困った。
何度入れても落ちてくるから仕方なく千円札を入れた。
{引用=―あぁ、そういえば、
よく似た形で恐ろしく性能の悪い(やっぱりこれによく似ている)自販に、
幼い頃会った
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