消灯時間/1486 106
 
守歌に聞こえるけど
夜行性の鳥達にとってはマーチなのかもしれない
地球の裏側 ブラジルは真っ昼間で
カーニバルの真っ最中だとか
名前も知らないような国の戦争だとか
力尽きた旅人の超えられなかった夜


★★★★★★★


早く明日にならないかな
そう思ったのは遠足前夜
明日なんて来なければいい
そう思ったのは卒業前夜

懐かしい日々はかつて未来と呼んでいた場所
今、という瞬間さえ使い果たしてしまったとしても
修学旅行の夜に語り合った内緒話だけは

ずっと覚えていたいのになぁ

やっぱり忘れてしまうのかなぁ


★★★★★★★★


時計の音はいつの間にか聞こえなくなっていた


★★★★★★★★★


翌日

ごく一部の人間と僕
だけを除いて平等に朝日は降り注ぐ
飾られた額縁と献花台の前で
誰かが悲しみ誰かが喜んでいるんだろう
どうせなら記憶よりも記録に残りたいけど
僕がいないならどっちだって同じかな
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