「大胆」な「懐疑論」と異なった「リアリティー(現実)」−「存在の彼方へ」を読んでみる8/もぐもぐ
い」(p37))
「超越的隔時性」とは何か。レヴィナスが使うこの語の意味を捉えるには、「時間」との関係で「真理」を捉える哲学の伝統に、少し立ち戻ってみなければならない。
まず、「真理」というのは、超越的な、即ち「時間」の外にあるものである。プラトンを始めとする古来の哲学の伝統はそう教える。
これはどういうことかというと、例えば辞書等に書かれている「定義」のようなものをイメージして欲しい。「定義」は「抽象的・普遍的」なものとして想定されている。これは「超」時間的なものである。辞書に書かれた定義は、「現実」に合致したり、合致しなかったりすることはあるが、そこに書かれたこと自体は、時代を超
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