枯れた植物/
百瀬朝子
窓辺で枯れた観葉植物
一滴の涙とやさしい吐息でよみがえるのならば
枯らすことなどなかったのに
どうして気づけなかった
日に日に干乾びていくその姿
気づいたときにはカラカラで
ミイラみたいに痩せッぽっち
一滴の涙とたくさんの愛情でよみがえる伝説
本物にするためには
どのくらいの愛情が必要なの?
そそいでも そそいでも足りない
ミイラはミイラのままで
今度はあたしが干乾びそうよ
だって
ほら、
心が痩せッぽっちになっていく
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