水槽とブルーハワイと所有と幸福/青の詩人
 

ずっと気になっていた喫茶で
ブルーハワイを頼んだ
まるいグラスに注がれた液体が
一瞬で差し出された

ストローで青を吸い上げた
地球から北半球が消えてしまった
南へ行くほど薄くなっていった
最後には南極の氷だけが七つ残った

私の右側には情熱を置き忘れた顔と
情熱の取り戻し方を間違えた声
私の左側にはそれなりのサイズの水槽と
サイズの割に合わない大量の熱帯魚

ところせましと羽を広げて
未来なんかを 夢なんかを見ていた
そんな日々もあった

どうして私たちはグラスとか水槽とか
ガラス張りの壁の器に
幸福を閉じ込めてしまった

コポコポコポ


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