仮夢夜/なかがわひろか
 
それは片隅にある
永遠にたどり着けないブラックホールの淵のような
時間の中にいるはずなのに
時間は私の外で動いている
私はそれをただ見ている傍観者で
爆発しては吸い込まれて
また生まれる

流れて地球に落ちて
大きなクレーター
そこにいた巨大な集合体を微塵もなく押しつぶす
そこには家族があったろう
そこには愛があったろう
そこには暴力があったろう
そこには孤独があったろう
それらは全て私の下に。敷かれて
人間であったものは
動物であったものは
虫であったものは
すべて外見を共にし
そうなのだ。結局は
同じなのだ、
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