青いキリン/ようちゃん
には影を見るだけなんだがね
奴の細くて長い足が
隙間風のふくタイガを抜ける時
そいつの影が
まるで木のようで、
雪の彼方からみると
林が動いているように見えるんだね
笑っちまうよ
奴なのに
奴はオーロラにため息をついて
永久に続く雪原の彼方をみつめて
浸っているだけ
そういうのが好きなんだ
変わった奴だから
あいつはアフリカ生まれなんだけど、
いつの間にかやってきて
いつの間にか溶け込んじまった
とくに何もないっていうのが
やつのお気に入りらしい
変なキリンよ
いつまでもいるんだろうね
いつまでもいろよ
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