キミノコエ/千月 話子
 
ンスな身体の重さを調節して
うまく歩く事を覚えなければ
と 思いながら
自分の姿をガラス越しに映してみる

ほの暖かさが胸の奥からやって来て
身体が右に傾く
キミの面影が強くある方だ

キミが愛しかった
自分が愛しかった




空を戯れる二羽の小鳥が
戸惑いもなく高い声で鳴く
「好きだよ 好きだよ」と

私達には ただの音でしかないのだけれど
羨ましいんだ
人の声では直接過ぎて

隣にキミが居ない
手の平を添えて
愛を伝える事も出来ない
なら

今日 キミの夢を見よう
もう一度 声を聞かせて

今日 キミの夢を見よう
幻想の生き物になって
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
私達の 声
なんて 優しいんだろう






戻る   Point(21)