キミノコエ/千月 話子
ンスな身体の重さを調節して
うまく歩く事を覚えなければ
と 思いながら
自分の姿をガラス越しに映してみる
ほの暖かさが胸の奥からやって来て
身体が右に傾く
キミの面影が強くある方だ
キミが愛しかった
自分が愛しかった
空を戯れる二羽の小鳥が
戸惑いもなく高い声で鳴く
「好きだよ 好きだよ」と
私達には ただの音でしかないのだけれど
羨ましいんだ
人の声では直接過ぎて
隣にキミが居ない
手の平を添えて
愛を伝える事も出来ない
なら
今日 キミの夢を見よう
もう一度 声を聞かせて
今日 キミの夢を見よう
幻想の生き物になって
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
私達の 声
なんて 優しいんだろう
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