自由意志と責任−「存在の彼方へ」を読んでみる7/もぐもぐ
 
に由来するものでありながら、その「他者」の認識を欠落させている。レヴィナスはこの「欠落」を、時間の観点から「隔時性」と呼ぶ(「しかるに、このような時間化のうちで、回帰することなき時間という経過が、どんな共時化にも逆らう隔時性が、超越的隔時性が告知されなければならない」(p37))。
「隔時性」において、「他者」は「自己」と認識される。「自己認識」は自己の生存への配慮である以前に、「他者」の引き受け、即ち「責任」なのだった(「ただ、現前の秩序に属さないがゆえに、一切の現在、一切の再現可能なものに先立つような過去との関係は、他人たちの過ちないし不幸に対する私の責任という異常で、かつ日常的な出来事のう
[次のページ]
戻る   Point(0)