矛盾の人/フミタケ
 
ないし
行き当たりばったりで
その場その場の都合で
たとえ物語の途中からでも
コロっと設定を変える
作り上げたものに対して
愛着なんてなく
明日も見えないまま
無責任なほど
やりたいようにやるだけ
低予算B級映画に似ているからといって
脱力しないでほしい
してもいっこうに構わないが
それは低予算B級映画に失礼である
とはいわない
誰かのつかの間の暇つぶしにでもなれたらと思うよ
僕はそれを誇りに思う

僕の人生は
まるで
クリスマスローズのようだ
真冬に咲く
庭の小さな花
貴重な薬草として
重宝されるが
扱いを誤ると
猛毒
そんなふうに
この人生は
矛盾にあふれている
僕はそれを
誇りに思う
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