虫/HEDWIG
小さい自分を笑い飛ばしたくて
いつもの場所 いつもの格好
首をガクリと落とした
そう いつもの暗澹な自分の出来上がり
そうしたら お前さんが見えたんだ
いつもの場所 いつもの格好
首を落としたばっかりに
そう 何も変らず生きるお前さんさ
踏まれそうになったら
避け 止まり なお強く進んで行く姿
俺は心の中 言ってやったんだ
「そっちはお前さんの生きる場所じゃないよ」
踏まれそうになりながら
お前さんは 更に強く進んでいった
俺には こう聞こえたんだ
「それでも進むだけさ、知らない場所へ」
人込に構わず
土ではなくてオフィスに進んでいく姿
焼き付いて
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