日没 /鯨 勇魚
日描いた線それぞれの今
窓のほとりまで押し寄せた
宵闇の子供達の言う
「あのね」に集まる
たくさんの
ミリアンペア海路
奇麗なのだけれど
だからと決めつけながら
帰れなくなるのじゃあないだろうか
列車が巻き起こした風に動き
冷えたコロッケをほお張り
そう慕う
『トニック!』
もう涙は一直線に床に落ちていった
(大丈夫なはずはない)
気にかけるなんて
卑怯すぎる秘密がひみつ
うつむき目を閉じて
生きてる事を体感しながら
記憶のピントが
眠りのふちで雪が降って
不思議に暖かく
耳たぶを紅くしていた
『強制』
ノックしています
入ってます
もうすぐ出ます
能動と受動が遊泳している
あのね、あのね、あのね
言葉がおいつかない
もどかしい失望感
忙しいんだから
あとにしてくれないか
あまりにも憐れな鳴き声に
耳を塞ぐ事ができない
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