学校に行きたい/パラソル
 
校庭の上を二匹の犬がじゃれあっている
雲から目玉がずり落ちて魚のように転がっている

喫茶店に入るための口実
そこで見たものは10年前に見えなかった双眼鏡に写っていた
武田鉄矢のような男が問いかける「君は双眼鏡に写った校庭が見えていたかい?
そこに走っていた女の姿が見えたかい?夢のしっぽをつかんでいたはずだった。
それは砂のように消えた。
つぶれた目で何を見たかい?」

立ちつくす
まわりには砂が広がる
かつてそこは学校と呼ばれていた


スーパーで二本足のいかを買う
日本海からやってきた彼の姿は
顔も思い出せない学校に住んでいた人間の体に似ている
米と肉

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