「何故人を殺してはならないの?」−「存在の彼方へ」を読んでみる5/もぐもぐ
は「捨てることの出来ない」ものである、そうレヴィナスは言おうとしているのか。客観的なレベルであれ、個人の主観的なレベルであれ、「役に立つ/立たない」という観点から「意味」があるかないかを判別する「現実」、それに対して、全く別の「捨てることの出来ないもの」という観点から世界を見直そうとする。レヴィナスはそれをしようとしているのだろうか。
あまり気づかれず、しばしば意識にも上らないのだが、
実は、実生活上、こうした「意味」(立場3)が主張されることは、割合多い。そしてこの「意味」は、「役に立つかどうか」という観点からの意味とは、あたかもねじれの位置に立っているかのように、相容れない別個の観
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