純粋正義への架橋19/チャオ
、誰もがその頂に上ることは許されない。誰もが、誰かの命を救う機会に恵まれることは。いや、誰かが、悲しみにうずくまる姿を、僕らは僕ら自身のために見たくはない。
()助けるように、誰にも悟られることなく、ただ執拗に誰かを救うことができればいい。
僕は、無力を味わうだろう。ひたすらに、僕は、無力を味わうのだ。誰も救い出すことはできない僕の力を。だが、僕が発するその言葉に耳を傾けてくれる誰かが、誰かを救い出してさえくれればいいのだ。僕はエミリディキンスンではない。だから、僕は、僕の生きる意味を、誰かに投影することさえも許されてはいないかもしれない。だが、もし、僕が誰かを救うことができたなら、僕はエミリディキンスンのように表現するだろう。僕の存在は意味あるものだったと。
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