夜行列車/ゆうと
ガーベラだって
そんなことをきいたから
ぼくはいてもたってもいられなくなって
花屋に駆け込んだんだった
あの人を連れ出すために
いくつもの嘘を考えたけど
ありえないよなっていつも
何もしないまま夕陽が沈んだ
そういう日々にうんざりしたから
今日からぼくはすこしだけ
ひとことだけ多めに話した
夜行列車に乗ってゆこう
キャラメル味のポップコーンがはじける
ひとつだけ塩味の
はずれがあったので
ぼくはそれをあたりだと思った
そうしたら
生きるのがすこしだけ
楽しくなるんじゃないかって
思ったんだ
そう
それはとても
ありがちなTVドラマのワンシーンだったけど
バックグラウンドミュージックはずっと
モノクロピアノの音だったんだ
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