【心理学批評】幻聴論/りゅうのあくび
てくる。特に云えば、思わせぶりなところが幻聴のキャラクターである。では、どうして幽界からの声であるとするのかと言えば、幻聴に囚われれば、自分が死んでしまうことにさえつながることがあるからだ。その多くは、自分を見失うことによってである。その意味では、幻聴を抱えるリスクは大きいのだが。リスクが大きいだけではなく、幻聴を振り切るときの思考には死線を越えてゆくときの勢いさえ感じる。
今のところは、幻聴とは、できるだけ普通の関係を切り結ぶべきだろうと思うのだ。幽界からの声であれ、その声が所在不明のものだったとしても、そういったものに対しても、他人行儀すぎることが、自分の一部であってはならないと思
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