暁/HEDWIG
 
鏡の前 裸を睨む
其れが酷くガラクタに見え

頭は巨大なボルト
手足は伸び切ったワイヤーで
そこら中 錆だらけ

仕事で売るのは 己の時間
だけど 求められる このガラクタ
錆を抱いて楽しいですか?

フロントガラス越しの
青い月は本当は銀色の筈

橙々の夜に浮かぶ
原色の看板 ハイウェイ 138
そこら中は銀粉を撒いたみたい

あの街では確かな本当が
今 此の町では不確かな青
君を抱締めたい ガラクタ


男が迎える朝
女が持余す夜
それでは昼は誰のモノ?

走りたい 俺
誰かを癒したい 僕
全てを放り出したい あたし
感情さえ持たない 私

恐らく昼は皆のモノ


鏡の前 己を睨む
其れが酷く子供の様に見え
鏡の前 裸を睨む
其れが酷くガラクタに見え

直線など或りはしない
このガラクタだけが確かな証
そこら中 錆だらけでも
青い月を飲み下して


行く


生く
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