CITY/笹子ゆら
 

星たちのリズムを失くしながら
わたしたちはうごめいている
ざわめきの中に生まれた街路樹と
暗闇を照らす街燈は揺れて
かなしくわらった

そうしてまばたきを繰り返す
途切れない人々のひとみをわすれて
他になにも知らなかったから
気付いてしまったときの愚かさを消し去りたい

やさしい人もいるというけれど
埋もれてしまって見つけようもないのだから
そんなこと不確かじゃあないか


ポラリスの動きを見失って
口々にみにくさを罵りあった
きらめきを求めていた街路樹と
力果てた街燈は揺れて
しずかな世界を演出する


この街だけじゃない、どこの街も
わたしだけじゃない、そこのあなたも
知らないふりを、しているだけ



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