ゼロサムゲーム/
宣隆
何か掴んで
握りしめた手
開くことさえ
できない僕は
プライドだけに
腕を通して
いつものように
服を着替えた
行き先書いた
破れた地図も
部屋のどこかに
忘れたままで
昨日の景色
引き算をして
残った今に
また迷い込む
やり直せると
麻薬のように
軽く言葉を
投げてはみても
オセロのような
ゲームの色で
答えの上を
ただ跳ねていく
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