黄昏のおわりの瞬きに/青色銀河団
うまれるまえからしってること?
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ふるえる幻影の朝のなか、透きとおった身体をもつ妻が
うたう舟歌のつくりだす樹木や森や山ほどの喜びの存在
意味をおまえはもっているか。砂に埋もれたまま朽ちて
ゆく蝉のぬけがらほどの鈍色の星の意味をあなたはもっ
ているか。
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ねえさばくにいみはあるの?
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新しいせかいにおいて地上の氷の割れる音のすぐちかく
に痩せたことばのつぼみがあり、それらはてのひらの熱
で溶けるに従いことばは水晶のうたのように蒸気化し朝
のひかりにふるえるちいさな時間にかわった。
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きみもことばがつくるまぼろし?
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