黄昏のおわりの瞬きに/青色銀河団
 
うまれるまえからしってること?


*
ふるえる幻影の朝のなか、透きとおった身体をもつ妻が
うたう舟歌のつくりだす樹木や森や山ほどの喜びの存在
意味をおまえはもっているか。砂に埋もれたまま朽ちて
ゆく蝉のぬけがらほどの鈍色の星の意味をあなたはもっ
ているか。


*
ねえさばくにいみはあるの?


*
新しいせかいにおいて地上の氷の割れる音のすぐちかく
に痩せたことばのつぼみがあり、それらはてのひらの熱
で溶けるに従いことばは水晶のうたのように蒸気化し朝
のひかりにふるえるちいさな時間にかわった。


*
きみもことばがつくるまぼろし?





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