「 空白、の。 」/
PULL.
、眼を閉じる、バスがぐらりと揺れ、発車する、瞼の向こうで彼が平坦に、遠ざかってゆく。
五。
坂の上は空に近く、手を伸ばすと、青い、雲ひとつない空に触れられそうだった。風が、わたしの横を通りすぎた、振り返ると少年がわたしに向かって手を降り、何かを叫んでいる、わたしは何もないそこに手を当て、耳を、傾ける。
了。
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