腫れぼったいまぶた、祈る赤い目/ゆうと
こどもみたいに泣いてみるけれど
なみだはみるみる土の中に吸い込まれてゆき
泣いたことのない、おとなみたいな顔になってしまった
あっという間に
ぼくには欲望が根付いて
息をしている
呼吸が荒いと思えば
目線の先にはあの子がいた
笑っているわけでもなく
泣いているわけでもない
そういう無防備なとこが好き
なんていって
夜はべつの顔
それはそう、
わかっているのだ
ぼくの下心が
見え隠れしているけれど
そう、
わかっているのだ
ほんとうは
みえみえなのだということ
ほんとうは
ぼくが考えることなんて
数えるほどしかない
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