腫れぼったいまぶた、祈る赤い目/ゆうと
 

かなしくなるから目をつむれない
ぼくはあたたかくなるのを待ってる
それが春でなくてもいい
それが冬であるといい


あなたの声がきこえていても
それがぼくのものではないということ
白々しいほど、見せびらかしてる
あのひとはいつも、着飾ってる


それはそう、
わかっているのだ
だけど
怖いもの見たさ、みたいにさ
目を覆った手の指のすきまから
こっそりと覗いている




ゆうべ、かみさまがあたえた寝床で
みた夢は、嘘っぽいリアルが塗り固められていて
ぼくは幻滅してしまった
おかしいな、これは夢なのに
夢をみることができなくなってしまった

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