おかえり/たちばなまこと
心臓が集まるとファンタジーになる
初秋に夏をふり返る日
スパイスをスプーンいっぱいほおばるような
日常のすてきな刺激のような
心臓がより添うときを
見たような日
旅から戻ったベクトルたちが
それぞれの誰かに語りかけている
私ならあの人に
心臓がどこかに 忙しさに遠のく
手が届くのに遠く 飛ばされていたような
そんなここち
皆が還ってきたようなの
また ファンタジーが廻りはじめて
光のまぶたのネットの向こう
友だちたちが
ほてる手をくれたようなそんな
ここち
けれどもね
左を向くと背中が見えるの
ダイヤモンドは欠けてしまうと流星に
なってしま
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