ハンデ/星月冬灯
 
渡る慈愛の理(ことわり)で

 玲瓏なる世界を作り出す力が有る


 見えるのに実は何も見えていない私

 見えないのに真(まこと)を識見している君


 聞こえるのに実は何も聴こうとしていない私

 聞こえないのに真の真偽の耳を持っている君


 話ができるのに実は何を言っていいか解らない私

 話ができないのに真の至言を持っている君


 愚かな私は五体満足なだけが

 取り柄で他には何も無い


 君は欠陥を余儀無くされた代わりに

 心眼を得た


 私は決して君には成りたく

 ないけれども

 それでも羨ましいよ

 その「真実を見抜く力」が



   玲瓏〜美しく澄み渡っている。

   識見〜物事を正しく見る力。

   至言〜いかにも事実・真理にかなっていると思われる言葉。


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