100円ライター、使い捨て。/ゆうと
は、なにか。
いまからそれがたのしみなのだと、口をゆがめて言う。
100円ライター、使い捨て。
オイルがなくなるまで。
壊れてしまうまで。
はたまた落としてしまうまで。
ぼくがいま生きている人生を、それに喩えよう。
ぼくがさいごに火をつけるものとは、なにか。
そしてそれが煙になって消える日、空はどんな色をしているのだろう。
いま、青に染まっていく。
すこしずつ色を変えながら。
じわり、じわりと近づいていく。
(理想の自分、あなた、そして死に)
だれかが言う、愛はいらない。
あなたが言う、愛がほしい。
いまはまだ、安っぽいものでいいけど、
年を取った頃には、もうすこし高級でもいいね。
いまのぼくの価値とは、それくらい。
でも、たまには贅沢だってしたい。
そういう年頃なのさ。
わかってくれるかい?
未来のぼくへ。
きみがぼくを忘れていないことを祈ろう。
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