夏の終わりという駅で/皆月 零胤
 
てしまい
 雲に変わることもなく消えてゆく

青色の残像を瞼に残し
この胸を低温火傷させ
夏のカケラを地面に転がし
雲ひとつない青空で
太陽は
真っ白に
冷たく凍りついてる

 たとえ日溜まりの中でもきっと
 僕は溺れてしまうだろう

 大切なものは
 いつかの電車の中に置き忘れた



行き先もわからない電車を
僕は待っている

夏の終わり
という駅で
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