橋の上の人/おるふぇ
 
食道を通り抜けるスピードと同じくらいのスピードで
この夏の呼吸は終わる
もうずっと秋が続いている多分あなたを殺すまでという名のシュガーを混ぜた
よくある一発ギャグが消費され飽きられるくらいに
甘い涙の味わいと喉越しだった
それをあなたに飲ませたら
短い幻のようなこのショートコントは
すぐに忘れてもらえる

もうずっと橋が続いている
河が終わるまで
落ちるのが怖いと
ここにいるわたしの腕や背中を
あなたは渡り歩く
この河に落ちるなら
ずっと二人だよね
曖昧な微笑みも
噛み殺した叫びも
融通の利かない現実が
消してくれるよね
そうならいいけど
まだ橋は続いている
河の中で橋は続いている

辻褄を合わせるように
詩を書いている
この行為を嫌いになれずにいる人物は
小説の中の人物を
掌の上で転がしたり
指で摘んだり
もう何回も繰り返している
気づきなさい
もうそれきり声らしい声は
出なくなりました
自分の辻褄と
他人の辻褄と
噛み合わなくなるのは
もう懲りてしまったから
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