夜中、夜中/捨て彦
 
間に合わなくて 途方にくれている人が
いたりもする。

道路の脇で

だらだらと流れ落ちる汗が
地面に着くころにはビー玉になって
街の色を映している。

という比喩。

思い浮かべて、
ポケットから取り出したビー玉を
おもむろに車道に投げ捨てる


その表面には間違いなく街の明かりが映りこんで
( その表面には間違いなく街の明かりが映りこんで )


いるような気がした瞬間
ビー玉はタイヤの下敷きに。



戻る   Point(8)