イカ・セミ・バッタ/tomtom_poem
と
わずかな地上での命の間
うまく子孫を残す算段がつけられただろうか
むなしく死したりしなかったろうか
いくら見ても
乾ききったアスファルトに横たわった奴らは
無惨な死をあらわしている
破片があっちこっちに飛び散っている
わずかに残された魂の居所が黒く固まってる
バッタがつぶされている
つぶされる前
バッタは傷心だった
斜めに構えて
からだも青みを帯びていた
顔を見せたくなかったのだろう
傷心の前
飛ぶチャンスはあった
優柔不断だったのだ
ぐずぐずしているうちに
蛇に呑みこまれたり
鳥に啄まれたりしたのだ
いやちがう
心に爆弾を抱えこんで
自死したのかもしれない
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