宵宮/相馬四弦
 
バター色が並んでた

垂れ下がったぼんぼりの

次また十歩 遠ざかる

逃がさぬように目で追った

こおろぎの鳴く林道に

仄かに燈るわたあめを

父の背に揺られ啄ばんだ

あの暗がりを覚えてる

甘えるように怯えれば

背帯を直す母の声

囃子太鼓が消えてゆく




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