「名も知れぬ花」/広川 孝治
 

雑草として      




名も知れぬ花よ  

居並ぶつつじの中に生まれたがために  

異端としてうち捨てられた      




名も知れぬ花よ  

何本も集まれば  

愛らしい花束になったであろうに      




社会はそうして  

可憐な花を  

いくつも  

無造作に  

葬り去って  

ゆくのだ
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