スノウバースディ/
赤澤るろる
いつも女は見上げてた
透き通るくらいに青い空
点々とした雲がたくさん広がっていた
まるで雪に見えた
雪が降る空を見上げているかのようだった。
去年のお前の誕生日の日
雪が降っていた
初めて笑った顔を見たんだっけ
病室を後にした
もうここには来ない
日課がひとつなくなった
でも
よく晴れた空の日は
毎日お前の誕生日になった
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