パラレルファミリーフィティッシュ/秋也
 
父さんが存命で
そして僕には求めていた性別は違うが優しく誇れる兄がいる
それでも満たされないことはしょうがない
ただ
当たり前のことが一番難しく
当たり前のことが一番納得しにくいことは
誰にとっても同じ
君がパラレルな父性をいくら求めようとも
僕がパラレルな姉との関係を渇望しようとも
当たり前からは逃げてはいけない
本当の君の父も同じ母を持つ僕の兄も
パラレルな君の父もパラレルな僕の姉も
そこから目をそらすなと
同じように叱ってくれるはずなのだから
時が満ちたようなら
いつか一回でいい
手をつないで少し散歩しよう
心の中にある
泣いて渇いてしまっているものが
ずいぶん満足するはず



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