ピエタに寄り添う/セルフレーム
 

十字架の下で貴方に会ったとき、私、
言い忘れてた事があったわ―


ピエタに寄り添う


私の教会。

小さな村の、たった一つの教会。
大きな十字架の下に、
「ピエタ」がある―

「ピエタ」
十字架から降ろされたイエスを抱く、マリアの像や絵。

私の教会には、像があった。
もう随分古い、木製の像。

確かに汚かったけど、私は大好きだった。

ある冬の夜。
南からやってきた旅人が、教会に泊まらせてくれ、と、ドアを叩いた。

少し年老いたシスターがそれを許して、教団の裏の小部屋に泊まらせた。
ピエタはその夜も、静かに微笑んでいた。

夜中の2時
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