7?のガラスの靴/蜜柑
まるで遠い昔に母が読み聞かせてくれた
おとぎ話の世界の様に
時間の流れがひどくゆっくりと流れる中で
私はシンデレラの様になれると思っていた
私は今、顔を上げて熱いシャワーを浴びている
私はシンデレラにはなれなかった
可哀想な私が・・・ここにいる
何百、何千、何万の滴達がシャワーから落ちてくる
一粒一粒の滴の中に私を映し込みながら
静かに私を打ち続けている
私の思いを乗せて全て洗い流して行く様に
踵が痛い
よくよく見てみれば赤く腫上がった踵は
酷い靴擦れをおこしていた
君に少しでも近づきたくて
君に少しでも可愛いと思われたくて
無理して履い
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