その天体の名/青の詩人
 
い顔で笑うんだろう
知らない顔で泣くんだろう
ぼくには見せなかった
背中に隠した凸凹を
その誰かには見せて 

あれ
なんでだろ
なんで今夜は
こんなにも波が
しょっぱい

あふれるのは
引力のせい


強く惹かれると
こぼれるから 


そろそろ陸にあがろう
卵も 思想も
産めやしないけど
もう疲れたんだ

忘れよう


そしてぼくは
カメになった
泳ぎ方を忘れて
閉じこもることだけ
覚えて



それを見ていたら
なぜだか泣いていた
海で生まれたこと
そんな季節があったこと
思い出した
名前はもう思い出せないけど
すごく暖かい光だった


綺麗――。








あれ

なんでだろ

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