夕焼けのポエットさん/yozo
な声のが知られていますが実際は小さいのです
今日はどうされました?
こちらは初めてですか?
お顔赤いですね?
お熱は計りました?
矢継ぎ早の質問にさらにさらに身を縮めていくと
カウンターに隠れそうになってやっと
あら、ゆうの方ですか
と。やんわり驚いてやさしくなったお嬢さんの声に
ようやっと出ている額がジュっと焼けつくのがわかりました
では2番の前でお待ちください
すっかり柔らかく馴染んだお嬢さんの声を背にとぼとぼと歩きながら
見ないふりをする他の方の気遣いに会釈などして
2番の札を探す頃には
もうすっかり落ちた額が
受付の天井あたりを仄暗く照らしているだけなのです
明日、また晴れたら
もう少し早く来ようかしら、と
ついたたずんで考えます
今年はいつもより暑い日も続くようですし
きっとお嬢さんは覚えていてくれる
ちりり、と何故かそう
焼けつくわたしです
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