赤色夜叉/1486 106
 


ところで殺すのは恐くないのですか?

僕は扱い慣れないマシンガンを抱えて
這うようにジャングルを進み続けた
迷彩色の兵士が後ろから
僕に向かって銃を撃ってきた

反射的に僕は銃を撃ち返した
左脇腹に弾丸を受けた兵士は
大きな悲鳴を上げて倒れこんだ

僕は恐くなって逃げ出した
死に対する恐怖ではなく
最期の瞬間を見届けることで
汚れてしまいたくなかったんだ

もう手遅れだと囁く風を振りほどくように

何度もこんなことを繰り返せば
奪うことに慣れてしまうのだろうか
仮に最後まで生き延びたとしても
人間としてはおしまいなんだ

その手を赤色に染めた時点で
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