お菊と清十郎/
星月冬灯
赤い血が滴る
哀しそうに
切なそうに
小さく微笑みながら
私と清十郎さまの手には
赤い紐
どこまでも一緒に
離れないように
たとえ二人
地獄に墜ちようとも
私たちはどこまでも
一緒
ゆらり
ゆらり
私と清十郎さまを乗せた
小さな小舟は
どこまでも
揺られたまま
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