シンクロニシティ/rabbitfighter
 
屋の中を、その暗闇の中を、僕たちの周りを、
足音も立てずに猫たちが巡る、太陽を巡る地球のように、地球を巡る月のように、月を巡る人工衛星のように、原子核を巡る、電子のように、巡る、巡る、巡る、それは、

シンクロ二シティ、

言葉を許してほしい、いつか、満たされた水を花が吸い尽くして、その花が枯れてしまっても、その心に、声にならない、言葉を満たして、体は熱を失い、吐息は湿度を失い、言葉が音を失っても、沈黙の中に揺らぐ、硝子に透ける、底で戯れる、光を何度も、

何度も、何度も、巡る猫たちの、眼差しの奥にある、言葉を許して。
戻る   Point(9)