送迎/本木はじめ
 
学校からの帰り道なのに
きみは浮かない顔の時間だらけまき散らして歩いている

どうしたんだい?

散布した思案たちを再び胸元に引き寄せて
きみは呟く

あれ はどうしたかな
もういないんじゃないか?
どこへ行ったの?

みるみるうちに空に帰ってゆく水たまり
の中にぼくら映ったまま

あ、バスが来たよ!
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